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棋士

棋士という職業がある。

勝負の世界で生きる人たちは多いけれども、この世界は一種独特なものがある。

勝負事・・・スポーツなどで見れば、野球のように回数を決め最後にどちらが点数を多く取ったかを競うゲーム。

サッカーを代表するように時間を決めて終了時間までにどちらが多く点数を取ったかを競うゲーム。

バレーボールなどのように先に○○点を取った方が勝ちというゲーム。

いろいろな勝負事があるけれども将棋のように負けを認めるってゲームはあまりない。

自分で決める。

自分で負けを認める。

これ以上打つ手はない・・・と知った時、相手に「ありません」と頭を下げる。

なんという潔さ。

おいらが山形へ旅行してる同じ日、同じ山形県内の天童市で竜王戦が行われていた。

新幹線つばさの車内ニュースでも流れるほど注目されていた一戦だ。

将棋の公式戦は7局戦。

先に4勝した方が勝ちだ。

これに史上最強と言われる羽生永世名人が3連勝をして臨んだ第4局。

現竜王である渡辺は後がない。

しかもこの第4局も自身の王が相手陣内に浮くほど追い込まれていた。

さらに1分将棋となりもう投了寸前のところまでいった。

最後の一手となるはずだった羽生の一手。

誰が見ても明らかだった一手に羽生は時間をかけた・・・お茶を飲み顔を拭い。

その刹那、ほんの何秒かのあいだに渡辺がある一手を思いつく。

8手先に「打ち歩詰め(歩詰めは禁じて)」がある。

数分後、羽生の「ありません」の声が部屋にこぼれ、取材陣も大騒ぎとなった。

「大逆転だぁーーーーーーーーーーーー」と。

結局この4局目を大逆転した渡辺竜王がその後も3連勝し、永世竜王の座を手にいれた。

対局終了後のインタビューでも、「もしあの時羽生さんが時間をかけずに打っていたら自分は投了するつもりでした」と語っていた。

勝負事は時の勢いというのがある。

勝利の女神は気まぐれだ・・・勢いを持った方に惚れる。

羽生にとっては痛恨の時間だったというわけだ。

将棋の世界は本当に深い。

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