滝沢正光という人。
『春だというのに桜が咲いて・・・・』川崎桜花賞競輪の選手紹介で滝沢正光がファンに向け言ったひとこと。
つまりはそんな人。
年間1億円を稼ぐような競輪界の大スターでありながら照れ屋で純朴で誰からも愛される人であった。
競輪選手になる為にはまずは修善寺にある競輪学校に入学する必要がある。
普通は技能試験を受けて合格し競輪選手に向けて日々努力し始めるわけだ。
しかし、技能組と言われてる人は学生の頃から自転車に慣れ親しみ、中には日本を代表する果てはオリンピックでメダルを取ったような人までもがいる。
まったく自転車に乗らない(他競技をしてきた人)で学生時代を過ごしたきた人ではとうてい太刀打ちできないレベルの生徒たちだ。
競輪学校では自転車競技に縁のなかった他競技の若者たちにも門徒を広げようと適性試験というのも行う。
その代表格が今回引退をした滝沢正光である。
学校に入学したはいいが技能組にはかなわない。
卒業しデビューしてからも技能組にはかなわない。
それでも競輪選手である以上は一般のサラリーマンの倍ほどの年収は得られるため、たいがいは成長もそこで止まってしまう。
この滝沢という人はそこからがすごかったんだな。
技能組には絶対負けたくないと血へどを吐くほどの練習を重ね輪界の第一人者の称号を得た。
当時は適正が技能組を超えたと大騒ぎとなったもんだ(競輪界ではねぇ)
ハンドルを引きつけ自転車が浮いちゃうんじゃないかと思われるほどの豪快な先行は今でもまぶたに焼き付いてるほどだ。
強い人だった。
初のタイトルである日本選手権(ダービー)を奪った時に「次はお嫁さんですね」と言ったおいらに『いやぁ~そっちの方はどーも』と頭をなでながら照れくさそうにハニカンだ彼の顔も忘れらない。
本当に優しくていい人だった。
平塚でおこなわれたオールスター競輪・・・負け戦ではあったが勝利しファンにTシャツを投げ込むというサービスがあった。
人気選手の滝沢だけに多くのファンがフェンス前に集まった・・・その時彼のかたわらに立っていたおいらが一緒に入ってる一枚の写真(日刊スポーツ)を記者の方にいただいた・・・それは今でもおいらの宝物。
今回引退報道を聞き、どんなに強い人でもその時はくるとあらためて思った。
プロ野球や角界の選手の引退報道に比べて今回特に強く思った。
今後は競輪学校の名誉教官として若者たちの指導にあたるそうだ。
適正からトップにのぼりつめた人だけに、何事にもあきらめない素晴らしい選手を輪界に送り出してくれることだろう。
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